前回スレ: 
その1    その2    その3   



500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/23(木) 02:50:54.79 ID:pDKJ+8Two

 

食蜂「いつまで勘違いしてるのかしらぁ、上条さん☆

    いよいよ抱けると思って、調子に乗っちゃったぁ?」

 

食蜂(遠ざけなくちゃ……。私が崩れる……。心の距離が見えない……貴方の心が見えない……。

     怖い怖い怖い怖い怖い……!)

 

上条「えーと……操祈?」

 

食蜂「貴方はぁ、御坂さんをズタボロに虐めて泣かせるための道具でしかなかったの。

    御坂さん達から聞いてない?」

 

上条「……あー、でもそれはあいつらが勝手に」

 

食蜂「全部本当でぇす☆ あ、違うか。この場合はぁ、全部うっそでぇす☆

    って言った方がいいのかなぁ」

 

食蜂(これ以上は危険……私の『心理掌握』としての根幹が揺らぐわぁ……)

 

上条「み、操祈……お前何言って……」

 

食蜂(なのに……)

 

食蜂「貴方って……間が悪いわねぇ。もう少し落ち着かせてくれれば、私も別の答えを出せたかも知れないけどぉ……」

 

上条「は……?」

 

食蜂(どうして貴方はそんなに……)

 

食蜂「ごめんねぇ、上条さぁん―――――」

 

 

上条「……」

 

 

 

 

 

食蜂「――――貴方騙されちゃったのぉ☆」

 

 

 

 

 

食蜂(悲しそうな顔をするの……?)

 

 

528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 18:34:41.59 ID:ny8H08im0

 

ここの食蜂さんはとてもしっくりくる

 

580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:28:51.24 ID:FTtNskMeo

―――

 

 

食蜂「へぇ、じゃぁ、御坂さんには街中で会うたびにビリビリされてるんだぁ」

 

「そうなんだよ。まぁ最近はあんまりないけどな。でもその代りなんやかんやゴチャゴチャ言われるようになってさ。

 やれ携帯のストラップが欲しいからペア契約しろだの何だの。

 あいつも暇なのかねぇ」

 

食蜂「そうなのぉ。クスクス……」

 

「そうそう。学校でもそんな感じなのか?」

 

食蜂「いいえぇ、どちらかと言えば浮いてるわねぇ」

 

「へぇ、あいつが。ああ、まあお嬢様って感じじゃないしな」

 

食蜂「うんうん。後輩には結構慕われてるみたいなんだけど」

 

「そういやそうだな。白井がいつも周りにいるし」

 

食蜂「ああ白井さんねぇ。御坂さんの取り巻きの」

 

「取巻きか。友達だろ?」

 

食蜂「常盤台には派閥ってものがあるから。友達と言っても少し違って見えてしまうのよ。

    悪意は無いわぁ」

 

「ふぅん」

 

 

581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:29:31.47 ID:FTtNskMeo

 

食蜂「御坂さんのこともっと詳しく聴きたいけどぉ。ねぇねぇ……」 スリスリ

 

「な……なんでせうか……」

 

食蜂「私ぃ……貴方に助けてもらって……ドキドキしちゃった」

 

「は、はぁ……」

 

食蜂「もっと、これからもぉ……貴方の隣でドキドキしたいなぁ……」 キュッ

 

「お、おお……」

 

食蜂「ねぇ……ここがドキドキしてるの、貴方に分かるぅ……?」 ムニッ

 

「っ!!」

 

 

 

食蜂「もしね……もし迷惑じゃなかったら……私とぉ……――――」

 

 

 

583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:32:11.60 ID:FTtNskMeo

 

――――

 

食蜂の寮 食堂

 

 

上条「な、何の冗談だよ、操祈……」

 

食蜂「今回ばっかりは冗談じゃないわぁ。

    いえ、今までが全て冗談だったと言うべきねぇ」

 

上条「え、だ、だってお前は……俺の」

 

食蜂「恋人って言う設定ねぇ。だからそれはそういう遊び。

   貴方を上手くコントロールするための方便よぉ、分かるでしょぉ? 

   私の可愛さにまんまとハマっちゃったってワケ☆」

 

上条「そん……な……」

 

食蜂「ごめんねぇ。ついでに言うとぉ……」 ピッ☆ ピッ☆

 

女生徒A「! じ、女王……ハァ……ハァ……ピチャピチャ」

 

女生徒B「女王の……女王の靴を綺麗にしなくては……ピチャピチャ……」

 

食蜂「この寮の子達みぃんな私の玩具(おともだち)だから」

 

上条「……俺を、騙してたって……本当なのか」

 

 

584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:34:44.77 ID:FTtNskMeo

 

食蜂「だからそう言ってるでしょぉ。貴方が悪いのよぉ。何も考えないただのワンちゃんになれたら、どんなに楽だったか。

    貴方、私の改竄力が通じないんだモン」 ピッ☆

 

女生徒A「あ……あひゃっ……あぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!」 ビクビクビクッ

 

女生徒B「ら、らめぇぇええええ!!!!! 女王の靴ペロペロして気持ちよくなっちゃうぅぅううううううう!!!!!!!!!」 ビクンビクンッ!

 

上条「」

 

食蜂「こういうのも悪く無かったかも知れないのにねぇ、クスクス……。

    一応言っておくけど、この子達に苦痛は無いわ。まあリクエストがあるなら発狂するくらいの痛みも与えられるけど?」

 

上条「やめろっ!」 グッ! ガシッ

 

女生徒A「きゃぁっ! 離してっ! 女王の……女王の御履き物をお浄めしなくては……ハァハァ……」

 

女生徒B「あは……アハハ……女王……女王……ご褒美ぃ……」

 

上条「待ってろ、今元に戻してやるから!」 ガシッ パキィィイインッ!

 

女生徒A「あ……あら……? わたくしは何を……」

 

女生徒B「食蜂さん? どうかなさいまして?」

 

食蜂「いいえ、何も」

 

 

586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:36:26.54 ID:FTtNskMeo

 

上条「そのリモコンが問題なんだろ……!」 バッ!

 

食蜂「あ!」 

 

上条「こんなものがあるからお前はっ!」 ガシャンッ!!

 

食蜂「……幻想殺しねぇ。しかもリモコンまで壊されちゃって、もう打つ手無しだわぁ……くすん」

 

上条「俺が騙されるのは良い。でもこいつらは関係n」

 

食蜂「なんてね☆」 ペロッ

 

上条「!?」

 

女生徒A「女王……お願いです……踏み殺して下さいませんか?」

 

女生徒B「女王……わたくしの前歯を全てへし折って頂けませんか?」

 

上条「どういうことだ……」

 

食蜂「あのねぇ上条さん。私ぃ、これでも超能力者なの。

    リモコンはあくまで補強と効率化のために利用しているだけよぉ。

    いちいち演算するのもめんどくさいじゃなぁい?

    だから、レベル5の演算力を舐めないでもらいたいわぁ。

    少なくとも、この部屋を埋め尽くす程の人間を同時に改竄することはぁ、

    私には容易い事」

 

上条「っ……」

 

587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:38:59.31 ID:FTtNskMeo

 

食蜂「で、どうするのぉ? その右腕一本で、寮の子全員を元に戻してみたらぁ?

    その後5分でまた全員改竄してあげるけどねぇ。

    それとも……私も殴り飛ばすぅ? あの第一位の人のように」

 

上条「!?」

 

食蜂「そろそろ学習してよぉ。私ぃ、心が読めるのよぉ。

    例え貴方の心が読めなくたってぇ、例えば土御門さんとかぁ、色々と情報を垂れ流してくれる便利な心はたくさんあるわぁ」

 

上条「お前……御坂をどうする気だ……」

 

食蜂「……御坂さん? ああ……御坂さんね」

 

上条「は?」

 

食蜂「まぁ、最近は貴方と遊ぶのもちょっぴり楽しかったしぃ。今思えば正直どうでもよかったのかもねぇ。

    けど、大失敗だわぁ。肝心なところで貴方が怖くなって突き放すことになるなんて、予想外」

 

上条「怖いって……。操祈……お前」

 

食蜂「……」

 

上条「おい!」

 

食蜂「帰ってくれるぅ?」

 

上条「ま、待て! お前本当は……!」

 

 

縦ロール「上条様、そこまでにしていただけませんこと? 殿方が声を荒げて、みっともなくてよ」

 

 

588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:40:32.80 ID:FTtNskMeo

ゾロゾロゾロ…

 

 

眼鏡「……」

 

ゆるふわ「……」

 

ポニー「……」

 

女生徒C~Z「「「「「「…………」」」」」

 

上条「お前ら……」

 

縦ロール「女王に危害を加えると言うのなら、わたくし達全員でお相手いたしますが?」

 

食蜂「クスクス……そういうことよぉ。いくら貴方に能力が通じないと言っても、無関係なこの子達を何人殴り飛ばせるかしらぁ?

    もう一度言うわぁ。帰ってくれないと……」 スッ

 

上条「!」 ビクッ

 

縦ロール「あ……あぁぁぁああぁあ……」 ガクガクガク…!

 

上条「っ!? な、何してんだ!?」

 

食蜂「まあ簡単に言うとぉ、脳内麻薬ドバドバ出しちゃってる状態かなぁ。

    リモコンが無いと細かい調節がめんどくさいからぁ、いっぱい出しちゃったぁ☆」

 

縦ロール「あ……あはぁ……ひ……ひ……」 ドサ… ジワァァア…

 

食蜂「ほらほらぁ。ほっとくと全身の穴という穴から色んなものが垂れ流しになっちゃうわよぉ。

    早く止めないと中毒になっちゃうかもねぇ」 クスクス…

 

 

589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:42:43.17 ID:FTtNskMeo

 

上条「わ、分かった! 帰るから! やめてくれ!」

 

食蜂「別にいいのよぉ? 貴方の右手を使って戻してあげればいいじゃなぁい」

 

上条「っ! そ、そうか!」 ガシッ! パキィイイイイイイイイイイイン!

 

縦ロール「あ……あひゃ……あら? ここは……」

 

眼鏡「ああはああああぁあぁああ!!!!!」 ビクンビクンビクンッ!

 

ゆるふわ「あぁぁぁあああぁああああ!!!!!!」 ガクガクガクッ!

 

上条「!?」

 

縦ロール「な、何が……」

 

女生徒A~Z「「「「「んぁあぁぁぁあぁあああああ!!!!!!!!!」」」」」」 ビクビクッ!

 

 

ガクガクッ! ドサッ! バタンバタンッ!

 

 

食蜂「……っとまあこうなるだけなんだけどねぇ」

 

上条「やめろ!」

 

食蜂「帰りなさぁい。楽しかったわぁ、上条さん……でも、もう私を惑わせないでねぇ」 クスッ

 

上条「操祈……」

 

食蜂「帰って。貴方といると、私が壊れる……」

 

上条「……分かった」

 

 

クルッ… スタスタスタ… 

 

 

バタンッ

 

 

食蜂「……」

 

591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:44:25.55 ID:FTtNskMeo

 

食蜂「ぷっ……アハハハ……アハハハハハハハハハぁっ!」

 

縦ロール「女王……」

 

食蜂「あー……つまんなぁい」

 

縦ロール「……」

 

食蜂「つまんない。つまんないつまんないつまんない……何これぇ。

    あーあ、何か冷めちゃったなぁ。……ねぇ、みんなぁ?」

 

女生徒達「「「「「そうですわね女王」」」」」

 

食蜂「貴女達ってぇ、自分が無いって言うかぁ、生きてて恥ずかしくないのぉ?」

 

眼鏡「……申し訳ありません。とても恥ずかしいですわ」

 

食蜂「本当に申し訳ないと思ってるところが哀れだこと。

    クスクス……呼吸を止めなさぁい」

 

眼鏡「……ッ」

 

食蜂「苦しい?」

 

眼鏡「……」 プルプル…

 

食蜂「アハぁっ、顔真っ赤よぉ」

 

 

592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:46:18.34 ID:FTtNskMeo

 

縦ロール「女王、死んでしまいます……それはお止めになったほうが」

 

食蜂「うるさいわねぇ。貴女最近ちょっと反抗的よねぇ。

    学舎の園の外周1000万周して反省しなさぁい」

 

縦ロール「分かりました……」 タッタッタッ

 

眼鏡「……」

 

食蜂「っと、顔青くなってるわぁ。見苦しいから呼吸する許可をあげる」

 

眼鏡「ぶはっ! はぁっ! はぁっ! げほっげほっ!!」 

 

食蜂「どぉ? 私のことが憎い?」

 

眼鏡「いえ……滅相もありませんわ女王。女王をお慕い申し上げております」

 

   (女王は尊敬の対象ですもの。愛しく思いこそすれ、憎むだなんて)

 

食蜂「……」 スッ

 

眼鏡「……あら食蜂さん、申し訳ありませんが私貴女の顔なんて見たくもありませんので、失礼いたしますわね」

 

   (この人、さっさと死んで頂けないかしら)

 

食蜂「待って」

 

眼鏡「はい? 私貴方となんて口も」

 

 

 

 

食蜂「足を舐めなさぁい」

 

 

 

 

593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 17:46:30.79 ID:xJSVpDgJ0


なんか・・・・悲しくなるな・・・・

 

594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:50:27.31 ID:FTtNskMeo

 

眼鏡「は? 何故私がそんな……ハァ……ハァ……ことを……」

 

   (そ、そんな……食蜂が憎くてたまらないのに……靴を、舐めたい……!)

 

食蜂「さぁ跪いて、犬のように涎を垂らして」

 

 

ピチャピチャ… ピチャピチャ…

 

 

眼鏡「く……ぅっ……ピチャピチャ……グスッ……」

 

   (悔しい……食蜂なんかの靴を舐めさせられるなんて……。

    なのに……なのにっ……!) ペロペロ

 

食蜂「クスクス……ねぇ貴女」

 

ゆるふわ「はい、何でしょう女王」

 

食蜂「うーん……やっぱいいわぁ」

 

ゆるふわ「はい」

 

食蜂「……ほんと、つまらない子達。

    貴女達から響くものなんて何も無いわぁ。どこまでが私が作り出した心で、どこからが貴女達の本質なのぉ?」

 

食蜂(それならいっそ……見えないままの方がよかったのかしら……なんてね。

    私は『心理掌握』。全ての心を操る私は……もう他人との距離の測り方なんて分からない。

    人の心の本質なんて、どうにだって変わってしまうんだから、理解する必要すらない。

    ……でも)

 

 

食蜂「上条さぁん……貴方は、私が貴方を騙していると知った時、何を思っていたのかしらねぇ……。

    クスッ……クスクスクス……笑えなぁい」

 

 

 

 

食蜂(ああ……自分の言葉で人を傷つけるのって……実は結構辛いのねぇ)

 

 

 

 

595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:52:17.52 ID:FTtNskMeo

 

ガチャッ…

 

 

禁書「……うーん……むにゃむにゃ……。お腹減った……」 zzz…

 

スフィンクス「……zzz」

 

上条「……」 フラフラ…

 

禁書「んー……あれ……? とう……ま……?」 ムニャムニャ…

 

上条「……」 ドサッ

 

禁書「どう……したの……?」

 

上条「グスッ……」

 

禁書「……とうま?」

 

上条「うぐっ……ぐっ……」 ガシガシッ!

 

禁書「とうま、泣いてるの……? ねえ、何かあったの?」

 

上条「あ……な、何でも無い……。何でもないんだ……」 

 

禁書「ちょ、ちょっととうま……?」

 

上条「グスッ……起こしちまったな……。

    ごめん、ごめんな……インデックス。お前達の言う通りだったみたいだ……」 

 

禁書「! みさきと何かあった……? 詳しく教えて欲しいかも」

 

上条「ああ……―――」

 

 

597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:54:53.30 ID:FTtNskMeo

 

上条「ってことがあってな……俺、騙されてたんだって」

 

禁書「……そっか」 ギュッ

 

上条「好きだって言われて、嬉しかったんだ……」

 

禁書「うん……」

 

上条「彼女なんて出来たの、生まれて初めてでさ……俺、グスッ……すげぇ嬉しかったんだよっ……」 

 

禁書「うん……」 

 

上条「俺のことを特別な気持ちで見てくれるんだって思ったら、どう言っていいのか分からないけど……

    何か大切なものが出来た気がして、毎日が楽しかったんだ……!」

 

禁書「とうま……」

 

上条「お前達が初め、操祈が俺を騙してるだけだって言ったのを聞いた時もさ……本当はちょっとそうかもなとも思ってたんだ。

    あんな可愛くて優しい子が、俺なんかに良くしてくれるなんて夢か何かだって思ってたから……。

    でも……俺はそれでもいいって思えるくらい操祈が好きだったし、あいつもそうだって言ってくれてるから……だから……!」

 

禁書「とうまは、みさきを信じたかったんだよね。

    みさきのことが大好きだから」

 

上条「……っ」

 

599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 17:59:09.50 ID:FTtNskMeo

 

禁書「とうま、大丈夫だよ。私は、何があってもとうまの味方だから。

    とうまが私を信じてくれなくたって、私はとうまを信じるから。

    だから、とうまがあの時みさきを疑うようなことを言った私達を怒ったのは、何も間違いなんかじゃなかったんだよ」

 

上条「……本当は……どうだったのか分からねぇよ……」

 

禁書「……?」

 

上条「俺は操祈を好きだったのか、俺を好きだって言ってくれるから、安心してあいつの言葉に甘えて好きになったのか……。

    どっちだったんだろうな……」

 

禁書「とうま、相手が自分を好きだって言ってくれるから、自分も好きになることは、いけないことじゃないんだよ。

    相手に優しくしてほしいから、自分も優しくするんだよ。

    だからね、とうま。こんな風な言い方は、とうまを傷つけてしまうのかも知れないけど、聞いてとうま」

 

上条「……インデックス……」

 

禁書「とうまは、そうやって泣いているとうまは、やっぱりみさきのことが大好きだったんだよ。

    それはね、すごいことなんだよ。

    だって、とうまは私達があれだけみさきを悪く言ったって、みさきを疑わなかったんだもん。

    そんな風に泣けるくらい、本気でみさきのことを大切に思ってたんだよ。

    どうしてとうまがみさきを好きだったのかなんて、関係無い。

    とうまがみさきを好きだったって事実は、確かにとうまの心の中にあったんだから。

    だからとうまはね、すごいんだよ。それだけは分かっていて欲しいかも……」

 

上条「お前……慰めてくれてるのか……?」

 

禁書「迷える子羊を導くのはシスターの役目なんだよ。

    それに、とうまがそんなんなっちゃうことなんて滅多に無いから、何かしなくちゃって思ったんだよ。

    とうまはいつも、人のために勝手に突っ走っていっちゃうのに、自分の事になるとやっぱり普通の男の子なんだね」

 

上条「……い、いや……そうかな」

 

禁書「そうだよ! ちょっと安心したかも。

    ……ねぇ、とうまはこれからどうするの? みさきとはきっぱりお別れをするのかな?」

 

 

601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:01:34.62 ID:FTtNskMeo

 

上条「それが……まだ分からないことがあるんだ」

 

禁書「……?」

 

上条「あいつは、俺に騙していたと言った時……今までと違う顔をしてた」

 

禁書「今までと、違う顔って……?」

 

上条「何て言うか……いつもみたいに笑ってなかったって言うか……必死っつーか……」

 

禁書「必死……」

 

上条「それに、俺に惑わせるなって……」

 

禁書「……どういうことか分からないかも」

 

上条「……うーん。俺にもよく分かんないよ。

    って言うか、インデックスに恋愛相談なんてな。3年は早かったか」

 

禁書「むっ! それはご挨拶かも! シスターである私には恋愛相談だって朝飯前なんだよ!

    朝ごはんの話したらお腹空いたんだよ!」

 

上条「朝飯の話なんてしてねぇよ。……ぷっ、ははは! あははははは!!

    お前と喋ってると泣いてる暇もないな」 ワシワシ

 

禁書「むぅ……もう、とうまの馬鹿」 プゥッ

 

上条「はは、悪い悪い。ありがとなインデックス。吐き出したら、ちょっと楽になったし、心の中を整理出来たよ」

 

禁書「……そっか、ならいいんだよ!」

 

 

602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:04:31.66 ID:FTtNskMeo

 

上条「とにかく、もう一回操祈に話を聞かないと。

    今になって考えてみれば、やっぱり変だ……バラすにしたって、あのタイミングはおかしいんだよ。

    あいつが御坂への嫌がらせのためって言うのが本当なら、御坂にもっとダメージを与えるような手段を取ったはずだ。

    あれ……そういや何で俺と付き合うことが御坂への嫌がらせになるんだろうなー……未だに分からん」

 

禁書「そこは深く追求しない方がいいかも……。

    ……でもとうまって、一途なんだね。みさきが羨ましいんだよ……」 ボソッ

 

上条「ん? 何か言ったか?」

 

禁書「何でもない。それよりとうま! 泣いたらお腹空いたんじゃない? ご飯が食べたいんだよ!」

 

上条「おいおい、こんな時間からかよ。 太るぞ」

 

禁書「太らないんだよ!」

 

上条「カップラーメンがあってたと思うけど……」

 

禁書「どんと来いなんだよ!」

 

上条「分かった分かった。今作ってやるよ。腹が減っては戦は出来ないって言うしな」

 

禁書「うん!」

 

 603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:05:41.60 ID:FTtNskMeo

 

翌日

 

――――

 

学舎の園 ゲート前

 

 

 

上条「さて、どうやって中に入ったもんかな……昼間はやっぱ無理かなー」

 

御坂「……あ」

 

上条「ん? おう、御坂か。どうしたんだ、今日休みだろ」

 

御坂「うん、ちょっと……。何? まさかあいつのところに行く気?」

 

上条「そうだ」

 

御坂「ああそう、楽しそうでいいわねぇ……」

 

上条「あいつの話をちゃんと聞かないと駄目だからな」

 

御坂「……は?」

 

上条「御坂、ごめんな。俺、騙されてたんだってさ」

 

御坂「! あ、あんた……気付いたの!?」

 

上条「いや気付いたって言うか、突然あいつにそう言われた……」

 

御坂「ひどい……。ねぇ、大丈夫? あんた食蜂に結構夢中な感じだったし、ショックなんじゃ……」

 

604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:07:18.82 ID:FTtNskMeo

 

上条「ああ、久しぶりに泣いた」

 

御坂「泣いた……。そう……なんだ。あ、じ、じゃあさ……気分転換に私と」

 

上条「でもたぶんそれはあいつの本音じゃないんだ」

 

御坂「は、はぁ!? あんた今度はストーカーにでもなるつもり? どんな発想よそれ!」

 

上条「違うって。けどそう思われるよなー実際……どうやってあいつに会いに行けばいいか困ってたとこでさ」

 

御坂「話が見えてこないんですけど……」

 

上条「操祈の様子が変だったんだよ」

 

御坂「あいつはいつも変よ。イカレてると言ってもいいわ」

 

上条「そうか? ちょっと変わってるけど可愛いだろ」

 

御坂「あーはいはい……。結局そこは変わってないわけねー。

    で、どこが変だったわけ?」

    

上条「なんとなくな。昨日は俺も気が動転して飛び出してきちまったから、気の所為だったかもしれないし。

    だからそれを確かめに行くんだよ」

 

御坂「あんたの都合の良い解釈って線は? 正直、あの女に関わるのはほんとにお勧めしないわよ。もう痛い程分かったと思うけど」

 

上条「どうだろうな。だけど操祈はああ見えて寂しがり屋だと思うんだ」

 

 

605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:10:14.60 ID:FTtNskMeo

 

御坂「寂しがり屋……」

 

上条「あんなに大勢の友達侍らせてさ、そりゃやり方は間違ってんのかも知れないけど、

    あんな能力を持っちまったら誰だって少しくらいそいつを自分の都合の良いように利用しようって思うんじゃないか?」

 

御坂「人の心の中を覗いてそれを弄りまわして遊ぶことが少しくらい?

    悪戯のレベルを超えてるわね」

 

上条「まあな。でもお前にだって相手が何を考えてるか、知りたいって思う時はあるだろ」

 

御坂「あんたがそれ言うとは思わなかったわ……常に知りたいわよ」

 

上条「え、何が?」

 

御坂「なんでもない! それで?」

 

上条「そんな手段を持ってるのに使わずにいるなんてこと、誰にでも出来ることじゃねぇ。

    そしてもし、相手の心の中を知っちまったとしたらどうだ?

    普段何気なく接してる相手が、腹の中では自分に対して悪意を向けてるって知ってしまったら。

    能力を使って改竄してしまおうって考えに至ってもおかしくはないだろ。

    そりゃ体の良いストレス解消用の相手が欲しかっただけなのかもしれないけど、それならあんなにたくさんの友達を傍に置いておく必要なんて無いはずだ」

 

御坂「それと私に嫌がらせをすることにどんな関係があんのよ」

 

上条「それは……そんな積み重ねの結果ひねくれたあいつの趣味なのかも」

 

御坂「ふざけんな!」 ビリビリッ!

 

上条「うわっ! じ、冗談だって。

    確かに褒められたことじゃないしな。だけど、理解出来ないわけでもないだろ」

 

御坂「……まあ、仮に私が黒子達の心の中で嫌われてること知っちゃったら、凹むし、人付き合いってもんが怖くなるかも知れないけど……」

 

607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:11:59.06 ID:FTtNskMeo

 

上条「……だから俺は、あいつが本当に心の底で抱えているものが何なのか、確かめに行かなくちゃいけないんだ」

 

御坂「……」

 

上条「あいつが本当に俺の事を何とも思ってないならそれでいいさ。

    その時はきっぱり諦める。俺は結局、あいつの心の中なんて読めないからさ。

    最後はあいつの言葉を信じるしかないんだよな」

 

御坂「……馬鹿ね、あんたは」

 

上条「悪かったな。どうせ万年補習の無能力者ですよ」

 

御坂「あいつが、寂しがりやで、友達を傍に置いておきたかったって?あんたそりゃいくら何でも考え過ぎ。

    好きな子を美化したくなるのは分かるけど、あいつは派閥の女王様として担ぎ上げられるのが気持ち良くて、

    ついでに色々と学園都市へ顔が利くパイプラインが欲しかっただけよ」

 

上条「うーん、それも否定は出来ないんだよな……」

 

御坂「でも……あんたの話を聞いてたら、あいつの中で何か変わったのかもって思えた」

 

上条「御坂……」

 

御坂「心の読めない相手から、そんな風に素直にグイグイこられたら狼狽えるでしょ。

    好きでもない相手だったらすっげー引くけどね」

 

上条「そ、そうなのか……もしかして引かれてたのか」

 

御坂「けど……少しでもいいなって思える相手だったら……まぁ、うん」

 

上条「何だよ」

 

御坂「分かりなさいよ馬鹿! 大体私があいつの立場だったら正直嬉ゴニョゴニョ……」

 

上条「?」

 

 

609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:14:20.41 ID:FTtNskMeo

 

御坂「ったくもう……あれ?」

 

上条「ん? どうした?」

 

御坂「あそこにいるのって……」

 

縦ロール「ハッ……ハァッ……ハッハッ……!」 フラフラ…

 

上条「あ、操祈の友達の……」

 

御坂「何か様子が変じゃない?」

 

縦ロール「ゼェ……ゼェ……」 フラフラ…

 

上条「おーい、何してるんだ?」

 

縦ロール「ハァ……ハァ……」

 

御坂「顔色悪いですよ! ちょ、ちょっと。ストップストップ!」 ガシッ

 

縦ロール「は……離して下さいまし……! 女王のご命令で……ハァ……後999万9948周こなさなくては……

       ハァ……ハァ……わたくしは寮に戻れないのですから……! うぐっ……」 ドサッ

 

上条「お、おい大丈夫か!?」

 

縦ロール「女王……まだしばらくお時間はかかりそうですが……必ずや1000万周のノルマを終えて見せます……」 モゾモゾ…

 

612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:15:33.02 ID:FTtNskMeo

 

御坂「あんた、右手!」

 

上条「え? あ、ああ……そうか!」 スッ 

 

 

パキィィィィイイイイイイイインッッ!

 

 

縦ロール「……え? ……うっ……うぉぇええええええ……」 ゲロゲロゲロゲロ…

 

御坂「……大丈夫ですか?

    この様子だと飲まず食わずで走り続けてたみたいね。

    足がパンパンだし」 サスリサスリ

 

上条「操祈がやらせたのか……」

 

縦ロール「うぅ……お、お手数をおかけし……げほっげほっ!」

 

御坂「いいですから……。ちょっと、水買ってきて」 チャリンッ

 

上条「あ……ああ」

 

 

614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:16:45.92 ID:FTtNskMeo

 

上条「はい水」

 

御坂「ゆっくり飲んで下さい。胃がビックリしちゃうから」 キュッキュッ

 

縦ロール「ングッ……コクコク……ッハァッ! ハァ……ハァ……あ、ありがとう……御坂さん」

 

上条「大丈夫か?」

 

縦ロール「ふぅ……わ、わたくしは、何をしていたんですの……?

      確か、女王に……」

 

御坂「操られてたんです。能力で。大体外周1000万周なんて、本当にしたら死んじゃいますよ」

 

縦ロール「女王に……?」

 

御坂「はい。他の子達も一緒に。ただもう派閥は無いけど」

 

上条「!?」

 

縦ロール「派閥が……無い?」

 

上条「どういうことだ御坂……?」

 

御坂「実は、今朝食蜂の派閥が解散になったらしいのよ」

 

縦ロール「!!」

 

上条「な、なんで?」

 

御坂「し、知らないわよ。寮で聞いて、今様子見に来たとこだったんだから……」

 

縦ロール「そ……んな。では、女王は今お一人で……?」

 

御坂「さぁ……」

 

上条「操祈は何のつもりなんだ……」

 

619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:21:20.37 ID:FTtNskMeo

 

御坂「あいつの頭ん中なんて誰にも分かんないわよ」

 

縦ロール「……わたくし、女王に確認して参りますわ!」

 

御坂「えっ、でも……操作されてたのに、そんなわざわざ……」

 

縦ロール「……確かに、時折女王のお傍にいたときの記憶が無いことには気づいておりましたし、

      身に覚えのない傷や痣が身体にあるのをおかしいと思っておりました。

      しかし、それでも女王はわたくしのお友達ですから」

 

御坂「と、友達って……」

 

縦ロール「少なくとも、わたくしはそう思っておりますわよ?

      仮に記憶を改竄し、心を操作されていようとも、女王がわたくし達をお傍に置いて下さっていたことには変わりありませんから。

      その女王がわたくし達を必要無いと斬り捨てるのなら、わたくしは何故と問いましょう。

      その答えに納得がいかないなら、異議不服の申し立ても致しましょう。

      それが、友人と言うものではありませんの?」

 

上条「……」

 

御坂「……」

 

縦ロール「では、失礼いたしますわね。ごきげんよう御坂さん」

 

御坂「え……あ、はい……」

 

上条「待ってくれ、一緒に行こう」

 

縦ロール「え……どうしてですの?」

 

上条「まあ色々とあって」

 

縦ロール「御坂さん……?」

 

御坂「ごめんなさい。こいつもあの女に言いたいことがあるみたいで」

 

縦ロール「まあ、ゲートを通れるのならば構いませんが……」

 

上条「それなんだよなー……あとはどうやって入るか」

 

御坂「……仕方ないわね……じゃあせめて夜まで待ちなさい。そしたら、どうにかしてあんたも中に連れていってあげるから」

 

上条「御坂……ありがとな」

 

御坂「別に。私も、嫌がらせされっぱなしって訳にもいかないしね。

    あの馬鹿を公正させないと駄目なんでしょ!」

 

 

620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/25(土) 18:21:30.18 ID:2q0TclOAO

 

派閥を解散させたのか…

 

633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:25:22.61 ID:FTtNskMeo

――――

 

 

食蜂の寮 食蜂の私室

 

 

 

全てが馬鹿らしくなった。

全てがつまらなくなった。

深夜、昼間女子学生で溢れていた街並みは嘘のように静まり返っている。

学舎の園内、常盤台中学に程近い一角にあるその洋館の中で、食蜂は今独りぼっちだった。

地中海沿岸風の街並みの中でも、とりわけ食蜂好みの瀟洒な館は元々常盤台の職員用の寮として建設されたものであった。

それを食蜂が常盤台の理事長に『お願い』して譲ってもらったのだ。

 

 

食蜂「……」 

 

 

学生の個室にしてはいささか広い部屋のベッドに腰掛け、窓の外に見える月を見上げる。

こんなに静かな夜は久しぶりだった。

いつもならみんなで遅くまで遊んだり、ひと肌恋しい夜は取巻きの縦ロールを枕代わりにして眠ったりしているのに。

 

 

食蜂「……学舎の園の夜は、こんなに静かだったのねぇ……」

 

 

夜空を見つめる食蜂の瞳には虚無感。

他人の向ける感情の全てが自分の掌の中。その虚しさを、昨夜思い知らされた。

こんなはずではなかった。

たった一人の、心を読めない相手のために、ここまで精神をかき乱されるとは思いもよらなかったのだ。

 

 

彼を追い出した後、彼の心と向き合うことから逃げた自分が許せなくて、派閥の女生徒にひたすらに当り散らした。

いつもよりさらに傍若無人に振る舞った食蜂であったが、それも夜が明ける頃に飽きて、後に残ったのは虚しさだけ。

だから彼女らを解き放った。

もはや自分には必要ないと思ったから。彼女らを思うがままに操る自分が、とても滑稽に思えたから。

 

637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:27:32.52 ID:FTtNskMeo

 

今にしてみれば、心の中が見えない彼とのコミュニケーションはあの退屈な日々の一服の清涼剤となっていたように思える。

心が見えないから、彼をいかにして夢中にさせるかを考えた。

自分の思惑が正しく相手に伝わったことを知った時、素直に嬉しかった。

 

 

食蜂(手の中で踊ってしまったのは、案外私の方だったのかもねぇ)

 

 

彼からの想いが真っ直ぐに伝えられることから目を逸らした。

全ては望みどおりに事が運んだと、どこか他人事のように自分を見下ろしていた。

だが、食蜂は理解した。

自分は、彼の真っ直ぐな気持ちに怖気づき、ただ敗北宣言をしただけなのだと。

それに気づいたとき、食蜂の心は折れた。

 

 

食蜂(何が『心理掌握』よぉ。私は、私の心に負けたのねぇ……。

   あの人に捉われていく自分が許せなくて……ただ、逃げた……)

 

 

御坂美琴へのささやかな嫌がらせから、彼をただ夢中にさせたいという欲望へと変化していく己の心に気付いたのはいつだったのだろうか。

彼に抱き締められた時から?

それとも口づけた時から?

 

 

食蜂(結局何より度し難いのは、自分自身の心だったわぁ)

 

 

食蜂操祈を支えていた『自分だけの現実』。

彼に心を預ければ崩れ、彼から目を逸らしてもまた崩壊の道を辿る。

その心は、とうの前から『掌握』されていたのだ。

もはや恐れから名前すら呼べぬ彼によって。

 

 

食蜂(何も聞こえない……静かな夜……。今日はよく眠れそうねぇ)

 

 

世話を焼く彼女達はもういない。

広い屋敷に自分は独りぼっち。

しかし、もはや誰の胸中も気にする必要のないこの状況は彼女に安らぎを与えた。

二度と表へ出たいと思わぬ程に。

 

644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 18:30:16.34 ID:FTtNskMeo

 

食蜂「ああ……静かだわぁ」

 

 

ポツリと呟く。

そのまま後ろへ倒れ込み、キングサイズのベッドへ体を預けた食蜂。

金糸の髪がふわりとシーツの上に広がって、大の字に沈み込む身体。

だが、彼女が微睡の中に落ちることは許されないようだった。

何故ならば

 

 

食蜂「で、何しにに来たの?」

 

 

淡々と告げられた言葉。

銀河のように煌めくはずの瞳の光は鈍い。

想いの宿らぬ無感情な言の葉は、ただ届けられる。

 

 

言葉も無く、静かにそこに佇む彼の元へ。

 

 

 

 

上条「お前が、寂しがってんじゃないかと思って」

 

 

 

 

 

ざわめく心、揺れる心、荒ぶる心。

天井を見つめた食蜂は、深く息を吸い瞼を閉じる。

 

 

 

 

 

食蜂「……お馬鹿さぁん」

 

 

 

 

 

彼が何を考えているのか分からない。

昨日は恐ろしかったそれも、今は少し心地よい。

心を動かされることを期待し、そして何より恐怖する自分がそこにいる。

心を持ち、生きた人間との対話が在る。

誰より心を揺らした相手とのコミュニケーションが生まれる。

ただその事実が、再度開かれた食蜂の瞳に銀河を宿した。

 

 

878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 21:22:28.67 ID:QoCxbmX/o

――――

 

 

「あら? 貴女……新入生の方?」

 

食蜂「はい……? そうですけどぉ」

 

「タイが曲がっていてよ……お気をつけなさい」

 

食蜂「ぷっ……!」

 

「何かおかしなことでもありまして?」

 

食蜂「アハハぁっ、いえいえぇ。本で見た通りのお嬢様学校なんだなって思ってぇ」

 

「そう。でも貴女も今日からその一員ですのよ。常盤台生としての自覚と誇りを持って行動なさいまし」

 

食蜂「私ぃ、超能力者なんです」

 

「あら……そう。そう言えば今年は二人のレベル5が入学するとお姉様から伺っておりましたわ。

 でもだからと言って身なりを整えなくていいことには」

 

食蜂「うーん、私と仲良くしてもいいことないですよぉ?」

 

「……え?」

 

食蜂「あらぁ、動揺してますねぇ。うん、でも他の子に比べたらぁ、貴女優しい人なんですねぇ。

    私に悪意が無いです。嫉妬はしてるみたいだけどぉ」

 

「な、何を言ってますの……? 貴女は……」

 

食蜂「あら、無自覚? 可愛いですね。けど知らない方がいいですよ。

    それじゃ、ごきげんよぉ。なんて、クスクス……!」

 

 

879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 21:24:12.79 ID:QoCxbmX/o

 

「……お待ちなさい」

 

食蜂「……?」

 

「貴女、そのような態度ではお友達にも疎まれてしまいますわよ」

 

食蜂「友達なんてぇ、必要無いので。私の改竄力でどうとでもなっちゃうんですものぉ」

 

「……可哀想な子」

 

食蜂「ちょっとムカっときてますねぇ」

 

「……ギリッ」

 

食蜂「アハぁっ、笑顔は淑女の嗜みですよぉ? 美人が台無し」

 

「……わたくしが、貴女を導いてさしあげますわ」

 

食蜂「は? ……ロ、ロザリオでも交換するんですか!?」

 

「お友達になりましょう」

 

食蜂「……」

 

「……」

 

食蜂「ぷっ……アハハハハぁっ……。純粋なんですねぇ。……クスクス、どうなっても知らないですけどぉ。

    それじゃぁ、ご指導お願いいたしますわぁ。

 

   

 

 

                        お姉様 

 

 

 

880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 21:26:47.86 ID:QoCxbmX/o

――――

 

 

学舎の園 ゲート前

 

 

 

御坂「ごめん! 遅くなった……!」

 

上条「寮抜け出して大丈夫なのか? 厳しいんだろ?」

 

御坂「まあバレる前に帰れば大丈夫よ」

 

上条「あとは操祈の友達が来れば行けるな」

 

御坂「えっ、あの人まだ来てないの?」

 

上条「ああ。そういや昼間一旦別れる時やっておくことがあるって言ってたな」

 

御坂「ふぅん。なんだろ、どうする?」

 

上条「結構遅くなっちまってるしな……常盤台生なら自分で入れるだろ」

 

御坂「まぁあの人は学舎の園の寮だし大丈夫だと思うけど……」

 

上条「じゃあ悪いけど先に行こう。操祈が寝ちまってるかも知れないし」

 

御坂「んなもん襟首掴んで引きずり起こしなさいよ」

 

上条「おいおい、操祈はかよわい女の子だぞ? そんなこと出来るわけないだろ」

 

 

881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 21:39:13.58 ID:QoCxbmX/o

 

御坂「あんた何しに行くか分かってんでしょうね……」

 

上条「冗談だって。で、どうやって入るの?」

 

御坂「ん? そうね、ゲートに警備員は常駐してるし……」

 

上条「考えてなかったのかよ」

 

御坂「し、仕方ないでしょ! 黒子に夜外に出してもらうのを説得するので精一杯だったんだから!」

 

上条「お前なー……はぁ、まぁいいか。それなら適当にどっかの壁昇ろうぜ」

 

御坂「無理無理、センサーが反応して一瞬で警備ロボに取り囲まれるわよ。

    街中のお掃除ロボの数より多いんだからね。ゲート以外から外に出ることも出来ないし、

    警備員(アンチスキル)のお世話になりたいの?」

 

上条「そっかぁ……どうするかなー」

 

御坂「簡単よ」 スタスタ

 

上条「お、おい御坂……?」

 

警備員「……? あなた、こんな時間に何の用ですか? 常盤台の子ね、寮の先生はご存じなの?」

 

御坂「こうするのよ」 ガシッ 

 

 

ビリリッ!

 

882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 21:40:54.41 ID:QoCxbmX/o

 

警備員「」 ドサッ

 

御坂「よっと。後は警備員室で寝かせておけば大丈夫でしょ」

 

上条「お前無茶苦茶するな……。操祈のこと言えないだろ」

 

御坂「ちょっと乱暴なやり方だったけど、これが一番てっとり早いじゃない」

 

上条「まあそうだけど……っつかこの方法なら昼間から入れたんじゃないのか?」

 

御坂「周りに人がいたら出来ないじゃない」

 

上条「そっか……ってお前すごいな」

 

御坂「さて、じゃあ行ってらっしゃい」

 

上条「え?」

 

御坂「ここ無人にしとく訳にはいかないでしょ。あんたみたいに中入ろうとする馬鹿が現れないとも限らないし。

    警備の代わりやっとくから、一人で行ってきなさいよ」

 

上条「それでもそうだな。それじゃ悪いけど頼む」

 

御坂「はいはい。しっかりね」

 

上条「おう!」 ダッ!

 

 

タッタッタッ

 

 

御坂「……」

 

御坂「……失敗しちゃえばいいって思ってる自分がムカつくわ」

 

  

 

次回スレ:
上条「食蜂って可愛いよな」御坂「え?」その5


 



元スレ:上条「食蜂って可愛いよな」御坂「え?」

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